ロータリーエンジンにターボチャージャーを搭載


今回は、OS製ロータリーエンジン49PIに(Turbo Charger)を搭載し、以前から 憧れていたマツダ車RX−7を製作する方向となりました。

前回の製作で、RX−7のボディではなく、RX−8のボディを選択した理由は、 実車RX−8はターボを積んでおりませんので、ロータリーエンジン49PIをそのまま 積んだ状態でRX−8が実現できたからです。

実車RX−7のエンジンは、ロータリーターボですから、やはりRCでもターボを積 まないと、RX−7にはならないと思ったからです。このあたりは、私のこだわりでもあります。

過給器の搭載においては、"排気圧に頼るTurbo Chargerの搭載"これは初めて の試みであり、実際のところ、手のひらサイズのエンジンにTurboが付いていること自身 がすごいことであり、性能面まで十分に引き出すことは、難しいと思いつつ何とか実現さ せる方向で検討を開始しました。

Turboの場合、出力低下となりうる、タービン部の吸排気抵抗の低減や、過給圧による エンジン保護、急峻な特性とした場合のターボラグ、出力安定性などを考慮した結果、 全域に渡って浅く過給するような設計とすることが望ましいことが確認できました。

ターボ本体にはジュラルミンを使用。排気系は排気熱により溶け出す可能性があったため ステンレス鋼との2重構造としました。タービンは強靭鋼、シャフトはステンレス鋼削りだし 4Φで、8Φのフランジベアリングで支持する構造としています。

スロットルリンケージについては、エンジンに搭載されたTurbo Chargerの仕様により、 スロットルバルブの位置が車体外側となったため、通常のリンケージは使用できず、 今まで使用していたスロットル、ブレーキ共用サーボを分離。ブレーキ専用と、スロット ル専用に分割し、スロットル用は重量増加を少しでも防ぐため、超小型サーボにて対応 させました。

エンジン本体は製品そのままだとバランス不足で振動が大きく、金属疲労などが起き やすい状態のため、バランス取りを実施。吸排気効率向上のため、吸排気ポートはD型 加工しております。

このチューニングにより、かなり振動の少ない滑らかな回転が実現 しました。排気音はノーマルと比較し、排気とタービン音が合成され実車感あふれる 音に変化しました。

熱対策としては、エンジン及びTurbo Chargerを覆うダクトを用意し、強制空冷方式 を採用しました。エンジン前面(シャフト側)の冷却フィンを削り、リング型水冷 ジャケットを付ける水冷化も考慮しましたが、水冷システムは重さが増すこともあり、 断念しました。

実際の走行ですが、まず加速は、ノーマルとほとんど変わらなく感じました。特に ターボラグと思われるもたつきもありませんでした。
少しずつスロットルを空けていくと 中速手前あたりからエンジン音とまざってブーンという羽で風を切るような音が聞こえて きました。これがRCエンジンに取り付けられたタービンの回転音なのかもしれません。

初めて聞く音でした。この当たりから若干、トルクが増したように感じられましたが、 特に急峻な特性は示さず、あくまでもフラットな特性を示しており、扱いやすさ は非常に良いものになりました。
更にスロットルを空けていくと2速に切り替わり、 最高スピードに達しました。最高スピードはノーマルと大きくは変わらなかったが、 最高スピードまでに達する時間は若干、早くなったように感じられました。 実際の速度は80〜90km/h程度と思われます。

まだ十分な慣らしが済んでいないため、エンジン保護のためニードルは甘い状態であり、 今後、ニードルバルブの絞込みができればもう少しTurboの効果が期待できると思われ ます。

実際のターボエンジンのような強力な出力特性は実現できませんでしたが RCエンジンにTurbo Charger搭載という夢のような物が実現できました。

発熱についてですが、4StエンジンにSuper Chargerを搭載したものはかなりの発熱量でしたが (ノーマルのエンジンと比較して25〜30%程度の出力UP品)、ロータリー エンジンへのTurbo搭載においては、エンジン保護を目的として浅く過給し、フラットな 特性を目指したことと、ターボユニット搭載により、排気・吸気が一体化構造となり、 吸気側の結露するほどの冷却が排気系の熱を逃がすこととなり、全体的な発熱量を抑制し ノーマルより、エンジン本体の発熱が少ないという状況となりました。

坂 原 善 行

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